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資産運用
2023.07.28

【人生100年時代の資産運用】30年前と比べ、2倍のスピードで老後資金を貯める必要がある私たちの資産寿命の伸ばし方3選

親世代の30年前と比べ、私たちを取り巻く環境は随分変わりました。
現在、私たちがおかれている環境を確認することで、ゆとりある老後に向けた資産形成について考えてみましょう。

1. 日本人の平均寿命の推移

厚生労働省によると、2022年現在、日本の100歳以上の人口は90,526人でした。

 

平均寿命は右肩上がりで、2022年の日本人の平均寿命は男性が81歳、女性は87歳です。2050年には女性の平均寿命は90歳を超えると予想されています。

 

30年~40年前は人生80年時代と言われていましたが、高齢化により、これからは人生100年時代となります。

 

2. 高齢化による老後の長期化

人生80年時代だった30年前は以下のような人生でした。
就職時期は様々ですが、計算しやすくするため20歳から勤労としています。

 

・勤労:20歳~60歳(40年間)
・老後:60歳~80歳(20年間)

 

老後20年の生活費を現役時代の40年間で準備すれば良かったので、老後1年の生活費を現役時代に2年かけて貯めることができました。

 

それでは、人生100年時代と言われる現在はどうでしょう。30年前と比べ、老後が長くなりましたよね。

 

・勤労:20歳~60歳(40年間)
・老後:60歳~100歳(40年間)

 

同じように計算すると、老後1年の生活費を現役時代の1年で貯める必要があります。つまり、30年前と比べて、私たちは現役時代に2倍の速さで老後資金を貯める必要があります。

 

ただし、現在は65歳、70歳まで仕事をする人が多いため、この限りではありませんが、それでも30年前と比較して、老後が長くなったことに変わりはありません。

 



 

3. 30年前と比較して、構造的に貯めにくい現在

高齢化により、老後の資金を短期間に多く貯める必要があることが分かりました。

 

それでは、今はお金が貯めやすい時代でしょうか?以下の表をご覧ください。

 

【人生100年時代の資産運用】30年前と比べ、2倍のスピードで老後資金を貯める必要がある私たちの資産寿命の伸ばし方3選

この30年、実質賃金は横ばいと言われているなかで、30年前は税金や社会保険料負担が現在の約半分と少なかったため、今よりも貯蓄がしやすい環境でした。また、資産運用をしなくても普通預金に預けていれば一定の金利がついた時代でした。

 

一方、令和の現在はどうでしょう?

 

30年前と比較し、現在はお給料をもらっても税金や社会保険料負担が約2倍になったことで手取りが減りました。また、消費税は7%あがり、物価高の影響で支出はどんどん増えています。

 

残ったわずかなお金を銀行に預けても、金利はわずか0.001%です。

 

これでは、思うように資産は増えていきません。

 

現役時代、2倍の速さで老後資金を貯める必要があるにも関わらず、私たちは30年前と比較して構造的に貯蓄がしにくい難しい時代を生きていることが分かります。

4.人生100年時代における資産のふやし方

30年前と比較して難しい時代ですが、人生100年時代における資産のふやし方、資産寿命の伸ばし方について考えてみましょう。

①人生の3大ため期に確実に貯蓄する

人生には、以下のようにお金が貯まりやすい「3大ため期」があります。

 

① 就職してから、結婚するまで
② 結婚してから、子供が小学校入学まで
③ 子どもが就職してから、自分が退職するまで

 

このタイミングで、いかに無駄な支出を減らして貯められるかがポイントです。

 

ここで気を付けたいのは、晩婚や高齢出産の世帯です。お金に余裕のある独身、DINKS時代に貯められないと、③の期間が短くなり思うように資産がふえていかないかもしれません。

 

また、現役時代に負担の重い、住宅ローンや教育費の支出が終わっても、老後はリフォームや介護といった大きな支出もあることを視野に入れておきましょう。

②年金の繰り下げ需給

現在、老後の年金(老齢基礎年金、老齢厚生年金)は65歳から受け取ることができますが、65歳で受け取らずに、66歳以後75歳までの間に繰り下げて増額した年金を受け取ることができます。

 

繰り下げた期間に比例して年金額が増額され、その増額率は生涯変わりません。

 

75歳まで繰り下げた場合、87歳が損益分岐点(これより長く生きると年金額が多くなる)になると言われています。高齢化により老後が長くなることで、繰り下げ需給により年金受給額を増やす工夫が必要かもしれません。

③高配当株による長期視点での資産運用

人生100年時代にゆとりある老後を迎えるためには、収入を増やす工夫が必要になります。

 

そこで、例えば、1, 000万円を配当利回りが4%の株式に投資すると仮定します。1,000万円取り崩さなければ、40万円の配当金が毎年入ってくることになります。人生100年時代、老後を40年と考えると1,600万円の配当金が期待できます。来年から始まる新NISAで運用すれば、以前、話題になった老後2,000万円問題を8割解決できます。

 

ただし、注意点もあります。株式投資における配当金は景気や業績に連動すること、また株式投資はリスクを伴いますので、長期な視野で資産運用を心がけましょう。

5. まとめ

30年前の親世代と私たちの世代では、取り巻く環境が全く違うことが分かりました。

 

今後も物価高や、税金・社会保障の負担増は続くと予想されます。メリハリをつけたお金の使い方、ため方、ふやし方を意識して、一度きりの人生を味わい尽くしましょう。

 



 

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この記事を書いたのは

松田 梓まつだ あずさ

ファイナンシャルプランナー。
Riche編集長。
大学卒業後、大手通信会社へ総合職として入社し、広報・PRに従事。その後、大手生命保険会社を経てFPとして独立。資産運用やお金に関する記事執筆を多数行っている。
2012年に株式投資を開始。難しい資産運用について分かりやすく、楽しく情報発信しているブログがきっかけとなり、FPとして女性のお金の不安を払拭するため株式投資の売却益を資本金に会社を設立。女性のお金とキャリアをテーマにしたWEBメディア「Riche」を運営している。
プライベートでは一児の母。

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