--現在はどのような治療をされて、どれくらいの費用がかかっていますか。
(津田さん)術後 10 年経ち、転移などもなく、今は数か月おきの通院や年に 1 回の MRI 検査を受けて経過観察を続けています。費用は年間 10 万円ほどです。費用もですが、乳腺外科、婦人科、形成外 科、遺伝子と、4つの科を受診するのが大変です。
--乳がん治療に終わり(完治)はあるのでしょうか?
(津田さん)一般的な乳がんは 10 年で卒業と言われていますが、私のような遺伝性のがんの場合は、継続的なフォローが望ましいと言われています。
--がん治療には高額な費用がかかりますね。津田さんは生命保険を契約されていましたか?
(津田さん)親が契約してくれていた保険がありました。がんに罹患する前は「こんなにたくさんの保障は いらないでしょ」と言っていましたが、当時は契約してくれた父に感謝しましたね。
1 回目の手術では 75 万円ほど給付金を受け取りました。ただ、見直しをせずに古い保障を継続していたので、もし新しい保険にアップデートしていたら再建手術ではより高額の給付が受け取れたようです。
女性特有の疾病に対する医療保険はどんどん良いものにアップデートされていますよ。 それから、私の保険は今、保険料払込免除となっていて、保険料を払わずに保障は継続しています。また、もう片方の胸も、今後乳がんに罹患する可能性を考えて、がんに罹患した人でも契約できる保険を追加しました。
こういった情報を知らない人がまだまだ多いようで、多くの人に知ってもらいたいと思っています。
--保険会社でお仕事をされているのも、これまでのご経験が元になっていますか?
(津田さん)保険会社で働き始めたのは子育てしながらでも働きやすいことと、乳がんで生命保険のありがたみを感じ、恩返しに近いような感覚で関わることができたらなと思ったのがきっかけです。
友人が、私と同じような経験をするかもしれないと思った時に役に立てたらと思っています。
--津田さんは、ピンクリボンアドバイザーとしても活動されているのですよね。
(津田さん)女性は乳がんだけではなく、子宮頸がんや子宮内膜症のリスクが 20 代から高くなってき ます。女性は男性より早く、自分の身体について考える必要があります。そういうことを娘と同じ子どもたち に伝えていきたいと思っています。
今、学校で、中高校生向けに「これからの人生やキャリアのために自分の身体を大切にしましょう」というがん教育認定講師の活動もしています。学生のうちから、大人がしっかり教えなければと感じています。