――田谷商店は物づくりの会社ですが、幼少期から物づくりが好きで、手先が器用だったのですか?
(田谷さん)そんなことないんですよ。製造以外、全部自分一人でやっていますが、実際は手先を使う作業ってあまりないんです。商品を段ボールに詰めるくらいで(笑)。
物づくりにおける商品企画⇒製造⇒販売という一連の流れの中で、「製造」は地元の葛メーカーさんに委託しています。作りたい商品を決めて、レシピやパッケージを決めて、原材料の仕入れ先や販売先を決めることなどが、私のメインのお仕事です。前職での営業や企画の仕事が今に生きています。
――物づくりに興味はあっても分からないことが多い人はたくさんいると思います。具体的には、どのように始めるのでしょうか?
(田谷さん)私の場合、漠然としたイメージを具体化することから始めました。「どんなものを」「いくらで売るのか」「お客さまはどんな人か」などです。そのうえで、大手とはどこが違うのか、販売はネットか店舗か、などを考えていきます。
ただ一人で考えていてもよくわからなくなってくるんですよね、、そんな時に力を貸してくださったのが経済産業省の事業「よろず支援拠点」です。全国に設置されていて、無料で公認会計士や税理士の方などから小規模事業者に必要な経営のノウハウを教えてもらえます。私もここに通い、ビジネスモデルを一緒にブレストしてもらいました。創業以降、今もずっと伴走支援していただいています。
方向性が決まった後、私の最初の一歩はSNSのDMや企業HPのお問い合わせフォームからアプローチすることでした。そこから商品開発の打ち合わせが始まっていくことが多く、一歩踏み出すことで未来が開けていくと思いますよ。
――自分らしさを発揮して何かを始めたいと思っている人へ、ひと言お願いできますか?
(田谷さん)何か新しいことを始めるときって、最初の一歩目が本当に重いんですよね。私は何の資格も持っていないごく普通の会社員でしたし、既に世の中に地域商社は沢山ある中で「本当に自分にできるのか」と一人悶々と悩みました。その時に、生まれてから今までの生い立ちをゆっくり振り返ったんです。そうすると、『女子校出身』『転勤族妻』『元営業ウーマン』など一見なんていうことのない特徴が、地域商社をやる上ではオリジナリティにつながるかもしれないと気がつきました。
皆さんにしかできないことも絶対にあるので、私は心から応援しています。
――最後に、田谷さんの今後の展望についてお聞かせください。
(田谷さん)葛湯については、今後離乳食や介護食、災害時の非常食として強みを発揮できるような売り方を考えていきたいです。販路としては、今はオンラインショップのみですが、お客さまと直接話せるポップアップの場を増やしていきたいですし、5年以内には海外展開もしたいです!
プライベートではいつか戸建てを建てたいので、そこに昔のたばこ屋サイズの窓を設けて「田谷商店」がやれたらなとも思っています。
また、商品開発や販売促進など、会社様とのコラボレーションを積極的に行っています。田谷商店と何か一緒にできるかもしれないと思われた方は、ホームページやInstagram(@taya_shoten)のDMにてお気軽にお声がけください!
【最後に田谷さんから、お知らせです】
現在、東京・新橋にある奈良県のアンテナショップ「奈良まほろば館」にて田谷商店の葛湯を販売しています。
奈良の特産品を数多く品揃えしているショップに加え、旬の県産食材を使ったカフェ・レストランもあり、奈良を満喫できる楽しい空間です。
以下の日時に田谷さんが店頭に立たれるそうです。よろしければ、ぜひ足を運んでくださいね。
・開催;2023年8月21日(月)まで
・田谷さん在店日時:
-8月8日(火)14時~19時
-8月9日(水)13時~17時