――はじめに。現在、私は株式会社キッズラインのベビーシッターマッチングサービスを通じて公的な助成制度や割引を利用しながら、中村さんに子どもの保育をお願いしています。
――改めて、これまでの中村さんのご経歴を教えてください。
(中村さん)大学卒業後、福岡県の認可保育園に5年ほど勤務していました。保育園で働きながらベビーシッターのお仕事にも興味を持ち始め、当時は今の仕事も続けなければならないという責任感で悩んでいましたが、家族の看護を通して死生観について考えるようになり「やりたいことをやるなら今だ!」と20代後半で保育園を退職しました。
小学校の特別支援学級を担当していた母の影響で、以前から障がいのある子どもの保育にも興味があったんです。母は障がいのある子どもも、そうでない子どもも同じひとりの子どもとして尊重するノーマライゼーションを大切にしており、子どもの個性を丸ごと受け入れるその精神は保育全般に役立つと聞いていました。障がいのある子どもの保育も学び、経験したいと思い、障がい児のコミュニケーションの教室で保育士としてアルバイトを始めました。そこでご縁があり、東京に本社を持つベビーシッター会社の福岡支店の支店長として働くことになりました。
東京のベビーシッター会社での研修で東京のご家庭にベビーシッターとして行ってみると、福岡の雰囲気とは全然違いましたね。働く女性が多い東京では、お金持ちの余暇ではなく、SOSとしてベビーシッターを頼む人が多かったです。保護者様からは、「育児でボロボロだったからベビーシッターさんが来てくれて助かった。」と感謝されました。そこで、ベビーシッターを必要としている人はたくさんいると感じたんです。福岡に戻り1年ほど経った頃、また東京本社から声をかけてもらい東京で人事業務をしていましたが、子どもが好きで「子どもたちと触れ合う保育をしたい。」と思い、退職をしてベビーシッターとして起業しました。
――中村さんにとって、ベビーシッターのやりがいはどのようなものがありますか?
(中村さん)たくさんありますよ!まず、子ども一人ひとりと丁寧に向き合うことができるので、子どもとのきずなが深まることです。また保育士と違い、ベビーシッターは家庭に踏み込むので、困ってSOSを出される保護者様から直接感謝されます。保育を通して、保護者支援ができることもやりがいが大きいです。また、お客さまとのマッチング次第ですが、スケジュール調整の自由度が高いことも魅力だと思います。