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2023.06.28

会社員から起業へ。離職票は捨てないで!新制度がスタートしています。

YouTubeやTwitter、InstagramなどさまざまなSNSを見ていると、会社員からフリーランス、会社を辞めて起業しました!という投稿をよく見かけるようになりました。起業のハードルが低くなり、様々なSNSやインターネットツールを活用できるようになってから、若い女性起業家もずいぶん増えてきたように思います。 会社員は様々な面で会社に守られていますが、起業をしたらすべては自己責任。
うまくいく人ばかりがいる反面、うまくいかない人がいることも事実です。
もしかしたらもう一度会社員に戻るという選択を取る人もいるかもしれませんが、フリーランスや起業家は仕事がなくなれば収入が途絶えてしまい、次のステップに進むために金銭面での不安を持つ人もいるのではないでしょうか?

今回は2022年から始まった新しい雇用保険の制度について書いていきたいと思います。

1. 会社員から起業へ。払っていた雇用保険料はどうなる?

一定の時間を勤務している労働者が必ず加入している雇用保険。

 

会社員の方であれば、毎月の給与から必ず天引きされているはずです。

 

雇用保険にはいくつかの役割がありますが、その1つに「失業した人が次の仕事に就くための支援をする」というものがあります。

 

皆さんご存じの雇用保険の基本手当、属に言う失業手当もその一つです。

 

失業手当の受給資格は会社に勤めていて、雇用保険料を払っている人が対象になりますが、受給するためにはいくつかの条件があり、それをクリアしないともらえません。

 

一番大きな条件は「失業の状態にある」ということ。

 

雇用保険の受給者のしおりによると

「ここでいう失業とは

・積極的に就職しようとする意志と、

・いつでも就職できる能力(健康上、環境上)があり

・積極的に就職活動を行っているにもかかわらず、職業に就くことができない状態

にあることをいいます」

 

と、記載されています。

 

フリーランスや起業のために退職した人は、就職しようとしているわけでありませんから、失業の状態にないということで、準備期間を含めて、収入の有無に関わらず雇用保険の基本手当の受給資格はないとみなされます。

 

(離職日から開業までの期間によっては受給できるパターンもありますがここでは基本パターンで話を進めていきます)

 

基本手当の受給は離職日から1年以内に期間満了になるという期限がありますので、ほとんどの人は雇用保険の基本手当受給に当てはまらないと思いますので、支払った雇用保険料は戻ってこない。今後は関わり合いのない話と思っているのではないでしょうか。

 

2. フリーランス、起業した人も雇用保険の基本手当が受給できる!?

希望に満ちてフリーランスや起業をしても、残念ながらすべての人が満足のいく結果になるとは限りません。

 

自分は最後まで頑張るつもりでも、家庭に事情などでやむを得ず再度就職活動を始めるということもあるかもしれません。

 

まさに「失業の状態」に入るわけですが、最後に勤務した会社を退職してから1年が過ぎてしまえば雇用保険の基本手当を受給することができません。

 

今まで雇用保険料をしっかり払ってきたのに、本当に困ったときに受給できないことになります。

 

こうした状況を見直して、2022年7月から失業保険の受給資格期間の特例が設けられることになり、今までは離職日の翌日から1年以内とされていた受給期間が事業を行っている最大3年間は受給資格に算入されないことになりました。

 

この特例により、離職してから4年以内に事業をやめることになって「失業の状態」になった人も基本手当を受給できることになりました。

 

3. 受給するにも条件がある

この特例をつかい、基本手当を受給するためには条件があります。

 

  • 事業の実施期間が30日以上であること。
  • 「事業を開始した日」「事業に専念し始めた日」「事業の準備に専念し始めた日」のいずれかから起算して30日を経過する日が受給期間の末日以前であること。
  • 当該事業について就業手当または再就職手当の支給を受けていないこと。
  • 次のいずれかの場合。雇用保険適用事業の事業主となること。

 

②客観的資料(登記事項証明書、開業、起業届の写し、事務所の賃貸借契約の写し、金融機関との金銭消費貸借契約書の写し等)で事業を開始したこと、事業内容と事業所の実在、事業の準備に専念にし始めたことが確認できること。)

  • 離職日の翌日以後に開始した事業であること、ただし離職日以前に事業を開始していたが、離職日の翌日以後に当該事業に専念する場合を含む。

 

やはり、いろいろ条件はありますね。

 

とはいえ、認定するのはハローワークですので受給資格には当てはまらないかな?難しいかも。と思うボーダーラインの方であれば、相談してみる価値はあると思います。

 

受給の際には会社を辞めたときにいただく、雇用保険被保険者証と離職票が必要になりますので、起業のために退職した場合でも捨てずにとっておきましょう。

 

ハローワークに支給要件にあてはまるか相談するときも持っていくと、話が早くなります。

 

余談ですが、将来自分が亡くなって、配偶者が遺族年金を受け取ることになった場合、職歴の証明が必要になります。

離職票をすべて年代順に保存してあることを配偶者に伝えておけば、遺族年金の受け取りもスムーズにいくかもしれませんね。

 

4.不正受給は絶対NG!

こうした制度を活用することはいいことですが、新しい制度ができればそれを悪用しようという人は現れるのも事実です。

虚偽の申告をして、不正受給をしてもいずれはばれてしまいます。

 

特に最近は金融機関や会社などでマイナンバーの登録が義務付けられており、以前よりも情報が紐づくようになりましたから不正受給も発覚しやすくなるでしょう。

 

「雇用保険。受給資格所のしおり」には受給中に不正が見つかれば「支給停止」となり、一切の受給できなくなり、全額返還が命じられると書いてあります。

 

さらに支給を受けた金額の2倍以下の金額の納付が命じられ、「返還命令」の金額と合わせて3倍以下の金額を納めなければならなくなくなるとも。

 

これらの支払いをしなかった場合は延滞金がつき、財産の差し押さえも執行されるとあります。

不正は必ず見つかると肝に銘じ、不正受給は絶対にしないようにしましょう。

受給に際して、何か少しでも迷ったら必ずハローワークに相談しましょう。

 

5.まとめ

増税や雇用保険の料率を上げることが多い政府ですが、こうした改定をするということは政府が開業を後押ししている政策を進めていくものとも考えられます。

 

起業した人にとって、この特例は使わないのが一番ですが、こうした支援があるということを知っておくと開業の際に少しでも心強くなるかもしれません。

 

万が一のときはこのような特例もあり、法律は変わるものですからわからないことがあればハローワークに相談に行くなど、積極的に自ら役所に聞きにいくことをお勧めします。

 

日本の給付金制度は自己申告をしないと受給できないものが多いので、ダメ元で聞いてみるというくらいの気持ちで行くことをお勧めします。

 

いきなりお役所はハードルが高いな…という方はRicheを読んだり、FPに相談するという手段もありますので、とにかく誰かに聞いてみましょう。

 

会社員から起業へ。離職票は捨てないで!新制度がスタートしています。

この記事を書いたのは

ふなにっし~ ふなにっし~ 

銀行勤務を経て、クレジットカード会社在籍時にファイナンシャルプランナー資格を取得。
退職後は投資で増やしたお金を学費にして長年学んだ韓国語を現地で学ぶため1年間韓国に留学。
常に働きながら学ぶ生活を続けてきた経験から「未来のためにお金を育てる」をモットーに、日常生活とお金のこと、韓国生活についてブログで情報発信をしている。
得意分野は社会保険、働きながら学ぶこと、これからお金を貯めたい人への情報発信。

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