本調査では、超富裕層や富裕層の純金融資産保有額や世帯数が増え続ける理由として以下を理由に挙げています。
❝過去10年近くにわたって富裕層・超富裕層の世帯数および純金融資産保有額が増加している要因は、株式などの資産価格の上昇により、富裕層・超富裕層の保有資産額が増大したことに加え、金融資産を運用(投資)している準富裕層の一部が富裕層に、そして富裕層の一部が超富裕層に移行したためと考えられます。❞
つまり、超富裕層・富裕層は株式投資などの資産運用(投資)が金融資産保有額増加のキーとなっているようで、その結果として準富裕層は富裕層へ、富裕層は超富裕層へと一段上のステージに移っていることが考えられます。
ただし、(表1)を見ると、2007年~2011年にかけては超富裕層、富裕層ともに純金融資産が減少しています。これは2008年に起きた、リーマンショックの影響が考えられます。そして、この後、2012年から始まった、いわゆるアベノミクスにより10年近くにわたって金融資産保有額は増加しています。
景気には波があり、株価は様々な要因をもとに上昇したり下降したりします。良い時もあれば、そうでない時もあるということです。ただし、リーマンショックやコロナショックといった危機を経ても富裕層の資産は長期的には拡大し続けているため「お金をふやすには長期的な視野で積極的に資産運用してみることが大切」と感じています。
国は「貯蓄から投資へ」とスローガンを掲げ、個人の資産運用をより一層、後押しするために2024年からNISAを大幅に拡充する予定です。こういった税制優遇制度を追い風に資産運用をすることで、(図1)にある階層をひとつずつ上がっていけると理想的ですね。