この記事を書いたのは
銀行勤務を経て、クレジットカード会社在籍時にファイナンシャルプランナー資格を取得。
退職後は投資で増やしたお金を学費にして長年学んだ韓国語を現地で学ぶため1年間韓国に留学。
常に働きながら学ぶ生活を続けてきた経験から「未来のためにお金を育てる」をモットーに、日常生活とお金のこと、韓国生活についてブログで情報発信をしている。
得意分野は社会保険、働きながら学ぶこと、これからお金を貯めたい人への情報発信。
目次
給与明細は大きく分けると、勤怠・支給・控除の3つの項目から構成されています。
銀行振込額ばかりを見てしまいがちですが、この3つの項目は給与を正しく計算するための大事な項目です。
勤怠 | 出勤日数や勤務時間など給与支給対象月の勤務実績が記載されています |
支給 | 基本給、諸手当など収入に関する項目が記載されています |
控除 | 社会保険料、税金など支給から引かれる項目について記載されています。 |
勤怠は給与支給のベースになる項目です。
例えば時間外勤務時間が実際より少なく記載されていたら、支給される時間外勤務手当(残業手当)が少なくなります。金額が書いていない明細なので、つい見逃しがちな項目ですが、間違いがないか必ず確認しておきましょう。
会社によって名称が違う場合がありますが、主な支給項目は次の2つです。
●基本給
諸手当やインセンティブなどを含まない基本の賃金のことです。
基本給は経験や能力などによって決められるので、会社によっては職務給、職能給などの別の名称を使うことがあります。どの部分が基本給にあたるのかわからない場合は就業規則を確認しましょう。
●各種手当
基本給以外に支払われる賃金のことです。
代表的な手当に時間外手当(残業手当)、通勤手当などがあります。
・時間外手当
雇用契約で定められた労働時間(法定労働時間1日8時間、週40時間)を超えて働いた時間外労働に対して支払われる賃金です。
・通勤手当
自宅から勤務先の交通費を支給する福利厚生の一種で、支給の基準は会社によって違います。公共交通機関を使う場合、月15万円以下は非課税になりますが、新幹線のグリーン車、2キロ未満のマイカー、自転車通勤、駐車場の賃貸料は課税されます。
そのほか、家族手当、住宅手当、役職手当、休日出勤手当、資格手当などがあります。これらの手当のほとんどは課税対象です。
給与から必ず控除されるのは社会保険料と税金です。
●社会保険料
健康保険、厚生年金保険、雇用保険、介護保険にかかる保険料のことです。
・健康保険:けがや病気、出産の時などに必要な給付を受けられる社会保険の一つです。
例えば、病院にかかった時、健康保険証を提示すると自己負担額は実際にかかる医療費の3割で済みます。(70歳未満の場合)
会社員は勤務先が加入している健康保険組合に自動的に加入され、保険料は勤務先との折半で支払われます。保険料は給与と通勤手当から割り出した標準報酬月額によって決定されますが、料率は健康保険組合ごとに違います。
・厚生年金保険:厚生年金とは会社員や公務員が加入する公的年金制度です。
会社ごとに加入しており、一定の条件を満たした事業所(企業)は必ず厚生年金に加入しなければなりません。国民年金保険料も含まれて控除されています。健康保険と同じく、給与と通勤手当から割り出した標準報酬月額によって保険料が決定され、保険料は勤務先との折半になります。
・雇用保険:社が一定の条件を満たした全従業員に対してかけなければならない労働保険です。
労働者が失業したり、休業したときに金銭的な援助をしてくれたり、失業を防ぐための福祉を増進するために使われます。
昨年、雇用保険料が上がるというニュースが話題になりましたが、実は毎年見直しがあり、料率は変動しています。2023年4月からの料率は一般事業者の場合、15.5/1000で、そのうち労働者の負担額は6/1000、残りの9.5/1000は事業主が負担します。
・介護保険:介護保険は高齢者の介護を社会で支えあう仕組みとして2000年から施行された制度です。
40歳以上の被保険者が負担することになっているため40歳未満の方の給与明細は空欄になっているはずです。健康保険の一環として扱われているため、加入している健康保険組合ごとに負担料率が変わり、料率も毎年見直されています。保険料は勤務先との折半です。
●税金
給与から引かれる税金は所得税と住民税の2つです。
・所得税:個人の所得に対して課せられる国税のことです。
毎月の給与に対して税率を掛けた金額を控除して、1年間の所得が確定した後に年末調整や確定申告で調整する仕組みです。
・住民税:都道府県や市町村が行う行政サービスのために必要な財源を確保するための地方税です。
均等割・5000円と所得割一律10%(都道府県6%、市町村4%)の料率で計算されています。
所得税と大きく違うところは課税対象になる収入の期間です。
住民税は前年の1月1日から12月31日の所得に対して、翌年の6月から納付する仕組みになっていますから新入社員は控除がありません。2年目から引き落としが始まるので、1年目より2年目の手取りが少なくなったという話もよく聞きます。
前年に収入のある中途入社の場合でも前職を退職した時期やタイミングによって翌年から給与からの控除が始まることがあります。
他にも会社ごとに労働組合費や共済会など様々な控除項目がありますが、社会保険料と税金はどの会社の給与明細でも必ず控除されている項目です。
実際に銀行口座に振り込まれる給与のことを手取りと言います。手取りは支給から控除を差し引いた金額です。
就職活動の際に提示されるのは基本給であることが多いので、実際に振り込まれた金額を見て、思ったより少ないと感じたこともあるのではないでしょうか?手取りがいくらかということを正確に把握しないと家計の予算を組むことができません。
手取りを把握するためには、給与明細の内容を理解することが大切です。
例えば収入を増やしたいと思ったときに、自分の会社の支給項目を知らないと、条件に当てはまってもらえるはずの手当の申告が漏れているかもしれません。控除の内容を理解すれば、住民税や所得税の控除につながるふるさと納税やiDecoをやってみようかなと考えることができます。
給与明細を理解することは、自分のお金と向き合うこと。マネーリテラシー向上のためにも、今年から給与明細をしっかりチェックしていきましょう。
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銀行勤務を経て、クレジットカード会社在籍時にファイナンシャルプランナー資格を取得。
退職後は投資で増やしたお金を学費にして長年学んだ韓国語を現地で学ぶため1年間韓国に留学。
常に働きながら学ぶ生活を続けてきた経験から「未来のためにお金を育てる」をモットーに、日常生活とお金のこと、韓国生活についてブログで情報発信をしている。
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